脳裏に焼きついた映像


先日、車を走らせていたときのこと。

多摩境から少し離れた、八王子の緑を多く残す、丘陵地の南斜面を利用した住宅地の道路です。
もともと山を切り開いて作った場所ですが6メートル以上ある、キレイにアスファルトで舗装された道路。


通り過ぎる道路脇の路肩あたりに黒っぽいものが動いていた。

スピードを落として目を凝らしてみると、おそらく車に撥ねられたと思われる狸が横たわっている。
いや、厳密に言うとその狸は横たわっていたわけではなく、気丈にも前足を踏ん張って首(上半身)を持ち上げていました。

恐らく下半身はまったくいうことをきかなかったのでしょう。


私には深刻なダメージを負いつつも生きることに対する、野生の貪欲な執着心が上体を起こしているように見えました。


しかし、素人目にみてもその事故によるダメージはとても深刻で、野生の動物がこれほどのダメージを背負ってしまったら恐らく今後、野生のままでは生きてはいけないでしょう。


もしかしたら私の見た瞬間は最後の悶絶だったのかもしれません。


通り過ぎた後、運転をしながらずっと、先程見た光景が目に焼きつき、心を捉えて離れませんでした。
5分ほどそのまま走って、結局現場に戻るためにUターン。現場には10分近く経過してから戻ってきましました。

でもそこには遺体もなく、事故の形跡さえも残っていませんでした。

まるで、そこにいなかったかのように・・・。

心優しい誰かが、遺体を埋葬のために連れて行ってくれたのか。
それとも思いのほかダメージは少なく安全なところまで逃げることができたのか?

いまだに分かりません。
でも顛末が分からないだけにすれ違ったその一瞬の光景が脳裏から離れることが無いのです。