グライダー空を舞う

最初に視界に入ってきたときはそれが何物なのかをすぐには判別できませんでした。
トンビのようなものが、くるり、くるり、と旋回しながら高度をあげていく・・・。

しばらくはラジコン飛行機かな?・・・と。
その優雅な姿に惹かれ、車を降り、近づいていく・・、

多摩境通りの東端「小山ヶ丘中学校」建設予定地の隣に「老人ホーム美郷」があります。
例の飛行機はその敷地から飛ばされているものでした。

その老人ホームは相模原の町を見下ろす丘の上にゆったりと、すがたよく建っていて、
その丘一面に密生した草が風に揺れていました。

丘を駆け上がってくる風を翼に受けて、旋回しているのはラジコンのグライダー。

動力になるプロペラの付いたラジコン飛行機はこれまで何度も見たことがあるが、ラジコンのグライダーを見るのはこれが初めて。
無知を恐れず推測をすると、大きな紙飛行機に舵をコントロールできるラジコンが付いているといったところでしょうか?

少し離れたところから、しばらくグライダーを飛ばす様子を眺めていました。
すると、うまく風をつかまえて、旋回・上昇していくのは10回に1回くらい。
たいていは2回転する前に丘の斜面に戻ってきます。

40代後半と思しき操縦者の男性は主翼(というのでしょうか?)1メートル以上はあろうかというその大きなグライダーをひょいと持ち上げ、
あのマサカリ投法の村田投手よろしく、大きく振りかぶるとエイヤっと放り投げる・・・。
すると、そのグライダーはまさに紙飛行機のようにふわりと滑空します。

あいにくの曇り空をバックにしても、その姿は優雅の一言。
空は自由だな~というグライダーの声が聞こえてくるようです。

ただひとつ皮肉に思えたのが、老人ホームに入っている方にはどう映っているのかと・・。
様々な事情からそこにいるであろうことを考えると、多少は窮屈な思いをなさっているのではないのか?

そんな人から見ると、自由な空にふわりと浮かぶその飛行物体は羨ましいと、
みてしまうことはないのかといらぬ心配をしてしまいました。

もちろん、そのグライダーの操縦者には悪意も罪もないのでしょう。